ある仕事を終え、函館空港行きのバスを待っている間に、少し時間があったのでＪＲ函館駅構内の書店に向かった。いつもの癖でその土地の昔の風景の写真集を探していた。。。。そして、理想の一冊を見つけたのである！！カバー写真が醸し出す郷愁感（と名付けた）がとても良い。価格はやや高かったが迷うことなく即購入。バスの中ではやる気持ちを抑え、空港に到着、搭乗手続きを済ませ、待合所に座り時間が経つのを忘れるくらい集中して完全に熟読した。パーフェクト。エクセレント。私が知っている写真集で一番面白い。それ以来今日に至るまで何度となく繰り返し見ている。紹介の文章でこういうフレーズがあった。

我が青春の街角へ　函館　昭和ノスタルジー

-　あの時の情景が、いまここに・・・　さあ、昭和の函館に迷い込んでみませんか？　-

目を閉じた。私は完全に迷い込んだ。この写真集は私が知りたいことを完璧に網羅していた。昭和のはじめ棒二森屋デパートの誕生、青函連絡船、造船所、市場や商店の今昔、大門や十字街の繁栄、函館の商店街のプライドや守り引き継ぐ美学。そして今も昔も変わらない函館の街づくりデザイン、センスにはため息しか出てこなかった。ますます函館が好きになった。今後100年先もこの魅力が色褪せることは絶対にないだろう。是非、これから帰省する人、函館を訪れる人、函館生まれの人にお薦めしたい。くしくも、現在JR函館駅前は新しいタワービルが建設中で、今後少し景色は変わるが、人々の心にはいつもあの昭和の函館が存在しているのだ。